ご相談事例Case study

築48年のマンションの大規模修繕工事を行う

  • 外壁

新宿区のマンション(築48年RC造4階建て)の理事長様より、大規模修繕工事の設計監理依頼を受けました。
建物調査診断を経て、最終的な総会で事業決定へと進む際、組合員数名の方から「大規模修繕工事ではなく建て替えするべき」との意見がございました。
こうした組合員間の合意形成は非常に大切で、ご理解を得ることが難しい場合があります。私共は組合員の合意形成サポートも行っておりましたので、
下記の通り、中立的な立場よりご説明差し上げました。
 ①建物の寿命はメンテナンスさえきちんと行っていれば人間の寿命以上に長持ちすること。

 ②建て替え工事には区分所有者数の5分の4以上の賛成と議決権の5分の4以上の賛成による決議が必要であり、

 それには数年を要すること。

 ③コンサルタントや事業協力者を決める必要があり、それらに10年以上を要した実例があること。

 ④以上を鑑み、管理組合だけで建て替えを進めることは至難を極めること。

 

以上を踏まえて大規模修繕工事計画と並行して建て替え計画を行っていく必要性があり、協議が長期化が必至であるため、
管理組合とは別組織として建替委員会を設置するべきとの提言をさせて頂きました。
更に今回の大規模修繕工事に於いて、少しでも建物の延命を図れるように、躯体であるコンクリートの中性化チェックを行い、
中性化抑止及びアルカリ付与効果を有する材料を選定させて頂きました。